外構工事の独自色
ここで、2030年代には大気中の二酸化炭素濃度が産業革命以前のニ倍になって平均3度の温度上昇し、海面の上昇は20〜140センチと予測されることなど、温暖化の影響が近い将来に迫っていることが提示された。
政治的には、1988年6月にトロントで開催された先進国首脳会議では、環境問題が重要議題として登場したが、そこでオゾン層の保護や温室効果の抑制などに取り組む方針が確認された。
その直後に、カナダのマルルーニー首相の主催で開かれた「変化する大気、世界の安全への対応」(通称、大気変動に関するトロント会議)と題する会議は、各国の330人の科学者や政治家が参加して、国際世論を「国際規制による温暖化阻止」へと大きく舵をとった重要なものになった。
会議では「先進国諸国は1005年までに、二酸化炭素の排出量を1988年レベルから10パーセント削減する」決議が提案された。
削減の量の2分の一はエネルギーの効率化や省エネルギー、残りの2分の一は供給源の多様化によって達成することがうたわれている。
この決議案は先進国からは不評だったが、最終的に2月に採択された。
どう国際的に地球温暖化に対応していくかを議論するために88年2月、WMOとUNEPの共催で「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)がスタートした。
1科学的知見の評価、2社会、経済的な影響、3対応策、の3つの作業部会に分かれて検討が進められている。
90年秋に予定されている第2回世界気象会議に、最終的な報告書が提出される。
このように、地球環境が国際政治の舞台でも重要なテーマとなってきたために、各国の主導権争いも激しくなってきた。
89年3月には、パリ・サミットを念頭に置いたフランスが音頭をとってオランダ、ノルウェーの3国が主催で「世界環境問題首脳会議」をハーグで開催した。
会議には、世界17カ国の首脳が招待されたが、米国、ソ連、中国は招かれず、イギリスもフランスに反発してボイコットした。
最終的に「地球温暖化は人類全体の緊急かつ死活的なもので、この解決は現在及び将来の各国の必然的な義務」とするハーグ宣言を採択するにとどまった。
りそうだ。
2月には、オランダの主催でハーグ郊外のノールドウィックで、67カ国の環境担当相を集めた「大気汚染と気候変動に関する閣僚会議」が開かれた。
オランダは当初「先進国は2000年を超えない時期に排出量を現在のレベルに凍結する」、「1005年までに排出量の20パーセントを削減する」といった厳しい規制を宣言に盛り込む準備をしていた。
しかし、米、日、イギリスなどの反対で、結局、「世界経済の安定的な発展を確保しつつ二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を安定化させる」、「先進国はなるべく早い時期に第2回世界気象会議で考慮される水準で安定化を達成させる」といった薄められた内容となった。
それでも、「多くの先進国の見解では、第一段階として遅くとも2000年までに二酸化炭素の排出量の安定化が達成されるべき」という内容が盛り込まれた意義は大きい。
一連の会議を通じて、オランダ、スウェーデン、フランスを核とする規制推進の「積極派」と、温暖化の科学的・な知見がまだ不十分で性急な規制は経済への影響が大きいといった理由で「消極派」の米国、日本、イギリス、ソ連、中国などとの対照が際立ってきた。
こうした動きは、各国内で活発になってきた。
米国の環境保護局(EPA)は89年に、地球温暖化防止のための総合施策案を発表した。
かなり踏み込んだ内容にはなっているが、そのためには、代替エネルギーへの依存、原子力エネルギーの利用拡大や化石燃料の価格上昇などが必要になり、果たして社会的に受け入れられるかどうか、どこまで意欲的な技術開発投資が行われるかが鍵になりこの施策案は、議会の要請を受けて86年以来、総額250万ドル(4億円)の調査費をかけて作成に当たってきたものだ。
今回の分析では、従来の二酸化炭素だけにとどまらず、「温室効果ガス」の一つ、メタンの発生源の田畑や牧畜、二酸化炭素の吸収源であるはずがその発生源になってしまった熱帯林の破壊など、他の温暖化要因を検討している。
この提案では、短期間にもっとも有効な対策は、温室効果ガスの中でも、その効果の大きなフロンガスの消費抑制であるとしている。
さらに、エネルギーの効率化として、自動車は一リットル当たり34キロの走行距離をめざす、暖房も床面積当たり一10パーセントの効率アップ、製造部門での省エネなどを掲げている。
同時に、太陽エネルギー、水力、地熱発電原子力などの非化石エネルギーで補完していく。
これに、森林保護と植林の推進、さらに、石油や他の化石燃料の価格に「社会的なコスト」を加える必要を力説している。
EPAは一連の対策が功を奏すれば、温暖化の60パーセントは回避でき、2100年までの上昇は0・6度〜1・4度に抑えることが可能であるという。
温暖化阻止が完全には困難で、スローダウンが精一杯であることも認めている。
完全に温暖化を食い止めるには、今後二酸化炭素の放出量を50〜75パーセント減らすという過酷な規制が必要で、これでは生活や経済が成り立っていかなくなってしまう。
このあたりが、現時点での対策の限界ともいえよう。
温暖化については科学的に未解決な面も多いとしながらも、このレポートは「科学的な解明よりも、一刻も早い対策の方が重要である」と結論し、もしも二酸化炭素の排出などで温暖化に拍車をかけている先進国が、1990年以前に根本的な対策をとらずに2010年まで引き延ばした場合は、温暖化を40パーセントも加速してしまうことになると指摘している。
米国議会には「2000年までに二酸化炭素排出量を半減させる」といったさまざまな法案が提案されている。
大手の自動車会社や電力会社の方も、温室効果ガスを削減するための研究開発や組織づくりが始まっている。
実際に、放出する二酸化炭素を吸収するのに見合うだけの植林を中米で始めた電力会社もある。
米国コネチカット州のテムズ川のほとりにあるアンカスビルで、電力会社のAES社(本社、バージニア州)は、1989年から新しい石炭火力発電所(18万3000キロワット)の運転を開始した。
それに先立って、同社は発電所が排出する二酸化炭素を吸収するに足る植林の資金を提供すると発表した。
植林の候補地を公募した結果、民間の海外援助団体CAREが応募したグアテマラでの計画が選ばれた。
この計画のコンサルタントの世界資源研究所(本部、ワシントン)の見積もりでは、アンカスビル発電所が40年間に出す二酸化炭素は1550万トン。
約5000万本を植林すれば、生長した緑は一生の間に1810万トンの二酸化炭素を固定する。
差し引き一160万トンのお釣りまでくるグァテマラ政府も乗り気で、CAREとともに米国の平和部隊が植林の指導に当たることになった。
場所は、首都グァテマラから車で3時間ほど西のケサルテナンゴ州の山間地で、総額1100計算だ。
その実現のために、化石燃料に「二酸化炭素税」をかける法案が国会に提出されている。
例えば、石炭は一トン当たり6111クローネ(一万3000円)の税金をかける。
法案が通過すれば来年から実施される。
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